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 ベットに横になり何気ない話しをしていたが、肌を寄せ合う温もりに何時しかエドワードはウツラウツラと瞼が落ち始める。
 何とか堪え様と努力するエドワードにロイは忍び笑いをしその表情を堪能していると、眠さを堪えた声でエドワードが質問をして来た。

「なぁ…。大佐ってさー、ピアノは弾くけど歌は歌わないのか?」
「必要以上に歌った事は無いな。」
「必要以上って?」
「『アメストリス国軍歌』とかだよ。」
「ふぅん。なぁ…何か歌ってよ。」
「はぁ?……遠慮するよ。」
「何でだよ?」
「歌は苦手でね……。」
「……そっかぁ。俺、大佐の…声……スッゲー………好き…………寝る前……母さん……」

 半分眠っている意識で話しを続けるエドワード。
 『母さん』の言葉に、ロイはエドワードが幼かった頃の『子守唄』の話しでもしたいのだろうと思った。しかし、子守唄など知らない為歌ってやる事は出来ない。

 ロイは、つい最近ラジオで聞いた曲を思い出した。フルコーラスを覚えてはいないが、何故かホンノ何小節かは覚えている。まるで自分達の心を代弁したような歌詞が、強烈なインパクトを残したのだ。

 擦り寄る様に身動ぎをし眠りに付こうとするエドワードに囁くような歌声が届く。
 優しいテノールの歌声に安心感を覚え、エドワードは何時しか深い眠りへと落ちて行った。

 ――― 自分を強く見せたり
     自分を巧く見せたり
     どうして僕らはこんなに
     苦しい生き方を選ぶの?

     答えなど何処にも無い
     誰も教えてくれない
     でも君を想うとこの胸は
     何かを叫んでいるそれだけは真実

 


 

web拍手『a radio program』の続編
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