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Imaginary Heaven様 (現在LINK先閉鎖?)
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隣りに立つアイツは俺なんかよりずっと背が高い………
正直……認めたくは無いけど。
街中を大佐と歩くのは久し振りだった。
勿論俺の後ろからは、中尉とアルが一緒に歩いて来る訳で、二人きりと言う事じゃない。その方が俺も気楽だし話しもしやすい。今だに俺は大佐と二人きりになるのが苦手だった。
中尉の提案で昼食を一緒に取る事になった。入り慣れない高級なその店は、何処か落ち付かなくて俺はお腹が空いているにも拘らず、その場に腰が落ち付かなかった。案内された席に座り大佐がチョイスした食事を啄ばむ。目の前の大佐とその横に座る中尉。俺の隣りにはアルと変わらないメンバーなのに何処か緊張して食事の味なんて解からなかった。
見慣れない料理を眺めながらそれでも口に運んでいれば、何と無く大佐が気になった。食器から視線を上げれば、軽食を食べ終わった大佐は珈琲を飲んでいた。
何気に見ただけなのに……その珈琲を飲む口元から視線が外せなくなった。
考えてみれば俺から大佐にKissした事は無かった。俺からするのも恥ずかしいし…変だ!大体、そう考える前にアイツが勝手に俺の隙をついて遣りたい放題好き勝手にしている。こっちからなんて考える暇すらない。
そして、何よりここが重要!
俺と大佐が立っていれば、少しくらい背伸びをしても駄目なんだ。………届かないんだ。アイツに。
だからしない!俺からは絶対しない!!
俺の背がグーんと伸びて大佐を抜かしてマッチョになって……そしたら考えてやってもイイ。
「――― の?鋼の?どうした、何か有ったのか?」
「へ?」
間の抜けた返事を返した俺を大佐もそうだけどアルも中尉も不思議そうに眺めている。
まさか「大佐の……アレに目を奪われていて……な事考えてました。」なんて絶対言えない!
考えてもみれば、皆の前で疚しい想像して俺って壊れてしまったのかも知れ無い。
勝手に顔が熱くなる。そんな俺を皆はどう見ているのかまた考えてしまい、自分では止められない程顔が熱く感じた。
「俺チョット席外す!ゴメン!!」
俺は席を立ちトイレへと駆け込んだ。
鏡の前で自分の顔を見れば見た事も無い程の赤い顔が……!
「俺ってすっげーはすかしい奴!」
まるで欲求不満の様に大佐の事とを見詰めていた俺自身に自己嫌悪した時だった。